大切な本を傷めないためのブックカバー。
長時間持って読んでも、疲れないブックカバー。
丈夫で長持ちするブックカバー。
持っていると気分がいいブックカバー。
そして
読書の喜びと楽しみを深めるようなブックカバー。
そういうものを私は作りたいと思いました。
〜小田玲子〜
本を読む。
その行為を邪魔しない、
むしろあって読みやすく、
読んでいて気持ちがいい、
そして、美しい…
そんなブックカバーを
作りたいと思いました。
八百年の歴史を持つ牛首紬で。
そこで向かったのは、織物作家の小田玲子さんの工房。
牛首紬を使って数々のすばらしい作品を
仕上げてきた小田さんは、
ブックカバーの愛好者でもありました。
小田さんととことん考えました。
どんなブックカバーが良いか、
どうしたら長く使ってもらえるものができるか、
そして、牛首紬の美しさを生かせるか―。
試行錯誤とサンプル製作を繰り返した上に
出来上がったのがこのブックカバーです。
その特徴は
その1 しなやかな手触り
牛首紬は、二匹の蚕が一緒に作った玉繭(たままゆ)から糸を挽き、織られます。この糸は玉糸と呼ばれ、二本の糸が複雑に絡みあっています。そのため、必然的に節を作り、これが牛首紬の大切な「味」になると同時に、「釘抜紬(くぎぬきつむぎ)」とも呼ばれた堅牢さを生み出します。しかし、その堅牢さは決して布の固さ、重さにはつながりません。伝統的な糸作りの工程と熟練の技が、玉糸そのものを軽く、空気を含んだ柔らかなものに仕上げるからです。そのため、牛首紬にはしなやかな手触りがあり、着物地でありながら、ブックカバーに向いている布となっています。
その2 抜群のフィット感
手間をかけてブックカバー全体に芯貼りを施し、布自体の張りを高めました。加えて、縫製にはミリ単位でこだわり、本をしっかりホールドするようにしました。これらによって生まれた、本とブックカバーの抜群のフィット感、ページの繰りやすさはちょっと驚くほどです。
その3 ほとんどの出版社の文庫本規格サイズに対応
文庫本は、並べてみるとわかりますが、規格サイズが微妙に違います。基本は文庫本の草分け、岩波文庫の高さ148ミリ×横106ミリ(A4の半分のA6サイズ)ですが、これが文春文庫になると、高さが152ミリと4ミリも違ってきます。そんな出版社による規格サイズの違いにも、十分対応できるようにしました。
その4 さまざまな厚さの文庫本を想定
薄い本から厚い本まで、さまざまな厚さの本をカバーすることを前提に作ってあります。厚さ3センチ(平均的な紙厚で約750ページ相当)まで美しく包めます。
その5 ブックバンドつき
ゴム製のブックバンドで本を留められます。これはすごく重宝します。本がカバンの中で開いてページの端が折れる、なんてこともありません。
その6 しおり紐つき
一番ポピュラーでシンプルなしおり紐(スピン)をつけました。便利です。
その7
日本の伝統美の奥深さ
失われゆく職人技を頑なに守り続ける牛首紬の粋をあらわす、縞(しま/shima)デザイン。玉繭から手挽きされた糸の輝きと共に、日本の伝統美の奥深さを伝えます。
その8 天然繊維の健やかさ
牛首紬は絹100%。天然繊維ならではの健やかさと肌あたりのよさがあります。また、裏地には麻や木綿を小田さんがひと手間をかけて柿渋染めしたものを使ってあります。どれも長く使うほどに味わいと愛着が増してくるはずです。
本を読むことは、ここではないどこかを旅すること。
さぁ、このブックカバーに文庫本を包んで、
旅に出かけませんか。
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