日本人独自の美意識が詰まった和食器には、
専門用語といわれるようなものがいくつもあります。
そんな用語の中から、
特によく使われると思われるものを集めてみました。
ことばを知ることは、世界を広げてくれること。
この用語集から、和食器への親しみが少しでも増せば、
これに勝る喜びはありません。
写真は、すべてじろやのうつわから。

あ行

赤絵[あかえ]

一般的に、赤を基調にして上絵付けしたもの。色絵の一つ。九谷では、赤彩だけの細密画、赤絵細描(あかえさいびょう)が有名。

一器多様 (用)[いっきたよう]

使い手の工夫で、いろいろに使えるうつわのこと。また、どんな料理を入れても中身が映えるようなうつわ。例えば、そば猪口はその代表格。

一寸[いっすん]

約3.03cm。うつわのサイズは昔ながらの尺寸で表示される。そのため、その基準となる長さの単位。銘々皿(めいめいざら)や取り皿などに使われる五寸皿は約15cmになる。

一尺[いっしゃく]

十寸のこと。約30cm。「尺皿」などと使う。皿の直径が尺以上のものを「大皿」という。

色絵[いろえ]

多彩な色で文様を描いたやきもの。緑、紫、黄、紺青、赤の五彩を使う九谷焼は色絵の代表格。色絵は<素焼き><本焼き><上絵窯>と少なくとも三回、ときにはそれ以上焼成する必要がある。高価になるゆえん。

写し[うつし]

先人の作品を模倣したもの。

上絵[うわえ]

釉をかけ、本焼きしたうつわに描かれた絵のこと。色絵、赤絵は上絵のひとつ。⇔下絵。⇒上絵付け(うわえつけ)

上絵付け[うわえつけ]

上絵を描き、焼成すること。色飛びを防ぐため、通常は800℃前後で焼く。⇔下絵付け

釉[うわぐすり]

うつわの表面を覆うガラス状の皮膜を作る溶液。釉薬(ゆうやく)とも呼ぶ。素地を美しくするだけでなく、強度を上げ、透水防止の役割も果たす。

織部[おりべ]

一般に織部焼に使われる緑釉を指す。安土桃山期から江戸初期にかけて、茶人の古田織部が美濃の陶工に作らせたことからその名がある。

参考文献:石川新情報書府/デジタルアーカイブ(2008石川県)、いまどき和の器(2007高橋書店)オレンジページブックス「和」の食 Vol.4(2006オレンジページ)、家庭画報特選「和の器」(2007世界文化社)、暮らしと器(2005山口泰子 六耀社)、広辞苑第四版(1993新村出 岩波書店)